熊本弁:『かかじる』 共通語:『引っかく かきむしる』
《例文と共通語訳》
蚊にくわれたけんかかじったら、血の出た。(蚊にくわれたので掻いたら、血が出た)
熊本弁:『かせ(加勢)』 共通語:『手伝い』
《例文と共通語訳》
かせしてはいよ。(手伝ってちょうだい)
熊本弁:『かたる』 共通語:『加わる、参加する』
《例文と共通語訳》
今からこん皆と遊びに行こて思とっとばってん、あたもかたらんな?(今からここにいる皆で遊びにいこうと思っているのですが、あなたも一緒に行きませんか?)
そん勉強会におんもかててくれんな。(その勉強会に自分も参加させてくれませんか?)
かてて~!((遊びなどに)まぜて~!)
熊本弁:『かつがつ』 共通語:『次々と 少しずつ やっと』
《例文と共通語訳》
かつがつ持って行かれたったい。(次々と持っていかれたんだよ)
熊本弁:『かつれる、かつるる』 共通語:『飢える お腹が減る』
《例文と共通語訳》
あん人はいつもかつれとらす。(あの人はいつもお腹をすかせている)
かつれ坊主→お腹のすいた子ども
熊本弁:『からいも(唐芋)』 共通語:『サツマイモ』
《例文と共通語訳》
*中国(唐)から渡ってきた芋だから。
熊本弁:『からう』 共通語:『背負う』
《例文と共通語訳》
ランドセルば、からってみなっせ。(ランドセルを背負ってごらん)
熊本弁:『からすまがり』 共通語:『足がつること』
《例文と共通語訳》
あいたた、からすまがりした!(痛っ、足がつった!)
熊本弁:『かんなし(勘なし)』 共通語:『限度を知らない 手加減しない』
《例文と共通語訳》
勘なし突っ込んだろ?(考えもしないで無理やり突っ込んだだろう?)
熊本弁:『かんぽす』 共通語:『空っぽ』
《例文と共通語訳》
頭のかんぽすだけんね。(頭からっぽだからな)
熊本弁:『がじめる、ぐゎじゅむる』 共通語:『独り占めする』
《例文と共通語訳》
がじめんで、仲良~しなっせ。(独り占めしないで、仲良くしなさい)
熊本弁:『がっぱっすっ、がっぱっする』 共通語:『がっかりする』
《例文と共通語訳》
がっぱっした。(がっかりした)
熊本弁:『がつ』 共通語:『~だけ ~の』
《例文と共通語訳》
怒られがつしかなか。(怒られるだけのことをしている→怒られて当然だ)
こら、俺がつ。(これは、俺の物だ)
熊本弁:『がね』 共通語:『カニ』
《例文と共通語訳》
よかガネの入ったけん、取りに来なっせ。(いいカニが手に入ったから、取りにおいで)
*主に渡り蟹のことを指す。
さわがに → さわがね
熊本弁:『がまだす』 共通語:『働く 頑張る 精を出す』
《例文と共通語訳》
今日もがまだしとんなはっですなー。(今日も頑張っていらっしゃいますね)
熊本弁:『がめる』 共通語:『盗む』
《例文と共通語訳》
兄ちゃんの消しゴムば、がめち来た。(兄ちゃんの消しゴムを、盗って来た)
熊本弁:『がんじがんじする』 共通語:『よく噛むの幼児語』
《例文と共通語訳》
よーがんじがんじせんと、喉に引っ掛くっけんね。(よく噛まないと、喉に引っ掛けるからね)
熊本弁:『きたにゃー』 共通語:『汚い』
《例文と共通語訳》
ぬしゃ きたにゃーね。(おまえ 汚いな)
熊本弁:『きな、きーなか、きんなか』 共通語:『黄色 黄色い』
《例文と共通語訳》
きな線(黄色い線)
済々黌の制服には、黄な線の入っとんもんな。(済々黌の制服には、黄色い線が入っているもんね)
熊本弁:『きびる、くびる』 共通語:『結ぶ くくる』
《例文と共通語訳》
こん紐できびっときなっせ。(この紐で結んでおきなさい)
髪ばふたつにくびって。(髪をふたつに結んで)
熊本弁:『きもいりどん』 共通語:『世話役 仲人』
《例文と共通語訳》
♪おてもやん♪
おてもやん あんたこの頃嫁人りしたではないかいな
(おてもさん あなたは 最近結婚したのではないんですか?)
嫁人りしたこたしたぱってん
(結婚したにはしたのですが)
ご亭どんがぐしゃっぺだるけん まあだ盃ゃせんだった
(婿殿が天然痘のあとが残っているので、まだ三々九度の杯はしていません。
*または「婿殿がぶ男だから三々九度の杯はしていません」でも)
村役 鳶役 肝入りどん
(村の役付きさんや火消しの頭や仲人さんなど、いろんな世話人の人たちが)
あん人達のおらすけんで あとはどうなっときゃあなろたい
(そんな人たちがいらっしゃるので、後はうまくとりなしてくれるでしょう)
熊本弁:『きゃす、きやす』 共通語:『消す』
《例文と共通語訳》
間違ってきゃーしたったいね。(間違って消してしまったんだよね)
熊本弁:『ぎめ』 共通語:『バッタ』
《例文と共通語訳》
ギメんごつ痩せとる。(バッタのように痩せている)
熊本弁:『ぎゃん』 共通語:『~のように こんな風に』
《例文と共通語訳》
あん人な、ぎゃんあらすもん。(あの人は、こんな風なんですよ)
熊本弁:『くつぞこ』 共通語:『舌平目』
《例文と共通語訳》
*たいらで靴底のようだから
熊本弁:『くらわす』 共通語:『殴る ぶつ』
《例文と共通語訳》
くらわすっぞ、ぬしゃ!(殴るぞ、てめぇ)
熊本弁:『くりゃー』 共通語:『くらい』
《例文と共通語訳》
あんくりゃー → あのくらい
こんくりゃー → このくらい
そんくりゃー → そのくらい
どんくりゃー → どのくらい
熊本弁:『くる(来る)』 共通語:『行く』
《例文と共通語訳》
(私が)今からそっちゃん来るけん。(今からそっちに行くから)
熊本弁:『くろち』 共通語:『内出血』
《例文と共通語訳》
痛かて思たら、くろちのよっとんもん。(痛いと思ったら、内出血になっているんだもの)
熊本弁:『ぐじゃっぺ』 共通語:『あばた』
《例文と共通語訳》
♪おてもやん
ご亭どんがぐしゃっぺだるけん まあだ盃ゃせんだった
(婿殿が天然痘のあとが残っているので、まだ三々九度の杯はしていません。)
熊本弁:『ぐっさ、ぐっさり』 共通語:『たくさん どっさり』
《例文と共通語訳》
おもちゃばぐっさ買ってもろた。(おもちゃを沢山買ってもらった)
熊本弁:『ぐらりする』 共通語:『がっかりする』
《例文と共通語訳》
あての外れたけん、ぐらりした。(あてが外れたので、がっかりした)
熊本弁:『け、けー』 共通語:『来い』
《例文と共通語訳》
こっちゃん けー。(こっちに来い)
熊本弁:『けまつれる、けまつるる』 共通語:『つまづく』
《例文と共通語訳》
こないだ階段でけまつれたけん、あんたも気をつけなっせよ。(階段でつまづいたので、あたなも気をつけなさいよ)
熊本弁:『げ、げぇ』 共通語:『家』
《例文と共通語訳》
うちんげぇに来んね?(うちの家に来ない?)
昨日、あたげーに遊びに行ったつよ。(昨日、あなたの家に遊びに行ったのよ)
熊本弁:『げさっか』 共通語:『下品だ』
《例文と共通語訳》
あん人は、ほんにげっさっかもんな。(あの人は、本当に下品だもんね)
熊本弁:『げな』 共通語:『~だそうだ らしいよ』
《例文と共通語訳》
隣の息子さんの帰ってこらしたげな。(隣の息子さんが帰ってきたらしいよ)
熊本弁:『こぎゃしこ』 共通語:『これだけ』
《例文と共通語訳》
こぎゃしこしか なかと?(これだけしか ないの?)
熊本弁:『こぐる』 共通語:『くぐる』
《例文と共通語訳》
こぐらんと行けんだった。(くぐらないと行けなかった)
熊本弁:『こさぐ』 共通語:『掻く かき落とす そぎ削る 削り落とす』
《例文と共通語訳》
しっかこさがんと、きれいにならんよ。(しっかりゴシゴシしないと、きれいにならないよ)
熊本弁:『こすか』 共通語:『ずるい、しみったれ』
《例文と共通語訳》
こすかこつばしたらいかん!(ずるいことをしちゃいけないよ)
あん人はこすかもんね。(あの人はしみったれてるもんね)
熊本弁:『こずむ』 共通語:『積み上げる』
《例文と共通語訳》
そぎゃんこずむと、倒るったい。(そんなに積み上げると、倒れるよ)
熊本弁:『こそばいか、こちょばゆか』 共通語:『くすぐったい』
《例文と共通語訳》
そこ、こそばいか。(そこ、くすぐったい)
熊本弁:『こつ ごつ』 共通語:『こと』
《例文と共通語訳》
いたらんこつ(いらんこつ)→不要なこと、余計なこと
えしれんこつ→意味不明なこと、おかしなこと
しごつ→仕事
独りごつ→独り言
熊本弁:『こまごつ』 共通語:『小言』
《例文と共通語訳》
そぎゃん こまごつばっか言うなよ。(そんな 小言ばかり言うなよ)
熊本弁:『こわる』 共通語:『(筋肉が)凝る』
《例文と共通語訳》
肩んこわっとっけん揉んではいよ。(肩が凝ってるから揉んでちょうだい)
熊本弁:『こーた』 共通語:『買った』
《例文と共通語訳》
馬刺しばこーてきた。(馬刺しを買ってきた)
熊本弁:『こ(濃)ゆい』 共通語:『濃い』
《例文と共通語訳》
こっちの色の方が濃ゆか。(こっちの色の方が濃い)
醤油の濃ゆーして、辛かばい。(醤油が濃くて、辛いよ)
熊本弁:『ごてどん』 共通語:『ご主人 亭主』
《例文と共通語訳》
『おてもやん』より
ご亭どんがぐしゃっぺだるけん まあだ盃ゃせんだった
(婿殿が天然痘のあとが残っているので、まだ三々九度の杯はしていません。
*または「婿殿がぶ男だから三々九度の杯はしていません」でも)